建物の構造によってリフォームできる場合と出来ない場合がありますので、特徴を簡単にご説明します。
自分の住まいがどのような構造なのかを把握し、その構造の場合にはどのようなリフォームが可能なのかをある程度知っておくことが重要です。合わせて、これはごく少数ですが土地取得時の許可上の制限、建物建築時の制限は無かったか?どうであったかもチェックが必要です。
日本の一戸建てでは最も多い工法です。上からかかる建物の重さを柱と梁で支えており、横からの力は筋交いが受ける構造です。この工法の住宅ですと、柱や梁の入れ替えや筋交いの位置の移動などが比較的簡単に出来ますし、設計時の自由度も高く間取りの変更なども可能でリフォームに適しています。
北米で生まれた工法で、切り口が2インチ×4インチの木材を使うことから2×4(ツーバイフォー)工法と呼ばれるものです。ツーバイフォーは家全体を、パネルつまり面で支える構造になっているため、耐力壁は取り外すことが出来ません。そのため新たにドアや窓を作ることは大幅に制限されますし、間取りの変更も困難です。つまり木造在来工法に比べると、リフォームする際の自由度は低い構造であると言えます。
あらかじめ住宅メーカーなどの生産工場で、床・壁・天井などの部材を製作し、現場に搬入して組み立てる仕組みになっており、主要部材の材質によって、木質系、鉄筋系、コンクリート系に分けられます。
木質系とコンクリート系のプレハブ工法は、ツーバイフォーと同じく壁で建物を支える構造ですので、間取りを変えるリフォームの場合、制限を受けることがあります。
リフォームは今お住まいの住宅の寿命を長くし、より快適で安全な生活を送るために必要な工事です。しかしとても残念なことに、一般の方々のリフォームに関する認識の甘さを手玉にとって、不必要な工事を勧めたり、見た目だけのリフォーム工事を行ったりする業者が存在します。
こんなリフォームには気をつけてください。
あなたが行いたいと思っているリフォーム工事は、充分な理由があって行われるものでしょうか?
もし急に訪問販売などで勧められたリフォームを性急に行おうとしているのであれば、落ち着いて検討してください。悪質なリフォーム業者は、専門的な言葉が苦手な高齢者や判断力が乏しい人たちを狙って不当な契約を結ぶことが多くあり、不要な工事に高額な金銭を支払うことになりかねません。
ご自身で希望したリフォームだとしても、しっかり工事内容を説明してもらい、必要性を再確認することを怠らないでください。
例えばツーバイフォー工法などでは、耐力壁を構造計算して確認することなく変えてしまうのは安全性を大きく損ねることになりますし、2つの部屋の壁を取り払って広い部屋を作る、広いリビングにするなどを無計画に行うことはとても危険です。
また、壁に大きな窓を作る、天井を吹き抜けにしたりするなども耐震性が低下する場合があります。このような耐力が変更される工事の場合は、設計・施工業者との充分な打ち合わせが必要で、状況により構造体の補強工事を合わせて行うことが必要です。
もちろん、クロスの張替えなどの見た目をきれいにする目的だけのリフォームは、それが目的ですから美しくなればよいでしょう。しかし、快適性の向上を目的にした壁紙や床材の張替えなど、見かけ以外の完成度も求める内装リフォームの場合、土台や柱、壁などの構造体もチェックして、必要があれば補強工事も行う必要があります。
水周りなどのリフォームの場合も、工事が完了すれば設備が新しくなるわけですから当然見かけはよくなります。しかし、その内側も忘れないでください。リフォームに当たっては、水周りの老朽化をチェックしてもらい、それも踏まえたリフォームを行うようにしてください。
リフォームの際、複数の業者に相談してアイディアを聞いたり、見積り依頼を行うことで、本当に必要な工事内容が見えてきますし、およその金額もイメージすることができます。
しかしその中で、驚くほど安い見積りがあればそれは要注意です。無理な値引きは当然材料費、部品代、手間賃などに影響してくるわけですから、安心なリフォームが出来るとは考えにくいからです。安いなら何故安いのか、それは本当にコストダウンして大丈夫なことなのか、納得がいくまできちんと確かめてください。工事の途中で追加を言われたり、工事完了後法外な追加金の請求をされたケースも多数伝えられています。他社との見積もりなども参考にしながら、適正な価格でリフォームすることが安全で安心を買う近道ではないかと思います。